カナガンキャットフードのネットの口コミを見ると賛否両論、いったい良いフードなのか、悪いフードなのかどっちなのと迷っていませんか?
そこで獣医師の視点からカナガンキャットフードを徹底的に分析をしてみました!
そして、またまた登場、筆者の愛猫「三毛猫とろ(13歳)」の嘘偽りのない実食レポートもぜひご覧ください!

Contents
カナガンキャットフードの基本情報と特徴7つ
それでは今回紹介するカナガンキャットフードについて基本情報と特徴を説明しますね!
カナガンキャットフードの基本情報

商品名 | カナガンキャットフード |
---|---|
分類 | 総合栄養食 |
対応年齢 | 子猫~シニアまで |
内容量 | 1.5㎏ |
通常価格 | 3,960円/1.5㎏ |
定期コース | 3,564円/1.5㎏ |
解約縛り | なし |
原材料 | 乾燥チキン35.5%、骨抜きチキン生肉25%、サツマイモ、ジャガイモ、鶏脂4.2%、乾燥全卵4%、チキングレイビー2.3%、サーモンオイル1.2%、ミネラル類(硫酸亜鉛一水和物、硫酸第一鉄水和物、硫酸マンガン一水和物、硫酸銅(II)五水和物、亜セレン酸ナトリウム)、ビタミン類(ビタミンA、ビタミンD、ビタミンE)、アルファルファ、クランベリー、タウリン、マンナンオリゴ糖、フラクトオリゴ糖、リンゴ、ニンジン、ホウレンソウ、海藻、カモミール、セイヨウハッカ、マリーゴールド、アニスの実、コロハ |
エネルギー | 390kcal/100g |
栄養成分 | 粗たんぱく質:37.00%、脂質:20.00%、粗繊維:1.50%、粗灰分:8.50%、水分:7.00%、オメガ6脂肪酸:2.99%、オメガ3脂肪酸:0.82%、リン:1.40%、マグネシウム:0.09%、ナトリウム:0.80%、カルシウム:1.58%、カリウム:0.70% |
原産国 | イギリス |
販売会社 | 株式会社レティシアン |
※価格は税別
カナガンキャットフード7つの特徴
カナガンキャットフードには特徴が7つあります。
- グレインフリー
- ヒューマングレード
- 人工添加物不使用
- 高品質な原材料
- 全ライフステージ対応
- 安全・安心の徹底
- 公式サイトでしか購入できない

「グレイン」とは穀物のことで、穀物が一切入っていないフードのことを「グレインフリーフード」と言います。
トウモロコシ、小麦、米などの穀物は、キャットフードのかさ増しに使われることが多いのですが、猫ちゃんは元々肉食動物なので、穀物は、消化管にとても負担がかかります。
また、穀物に対してアレルギーを持つ猫ちゃんも多く、完全なグレインフリーフードはアレルギー対策にもなります。
カナガンはグレインフリーに徹底的にこだわっています。
カナガンで使用されている原材料は、すべて人間でも食べられる、高品質で新鮮なものを厳選し使用しています。
昔は、私もキャットフードに、人間の食べられないレベルの材料が入っているなどとは思いもせず、とてもびっくりしたことがあります。
しかし、大容量にもかかわらず安いフードなどは、価格を抑えるために、「4Dミート」と呼ばれる、本来ならば破棄されるレベルの肉が含まれているものがあるというのが現実です。

危険なキャットフードの見分け方⇒
カナガンはヒューマングレードの原材料のみで作られているフードですので、安心です。
カナガンは、「自然のもので代用できる場合、人工添加物は不要であり、極上のおいしさに、人工調味料や着色料は、不要である」と宣言し、人工添加物を一切使用していません。
言う事がいちいちかっこいいです!

正確なところは分かりませんが、危険性が少しでもあるならば避けてあげる方が良いですよね!
先ほども述べた通り、猫は肉食動物です。
雑食の人間やワンちゃんとは違い、炭水化物からではなく、猫は主にタンパク質からエネルギーを得ます。
また、植物性たんぱく質も消化管に負担がかかるため、カナガンは動物性タンパク質だけで60%を占めています。
また、遺伝子組み換え食品も使用しないなど、徹底しています。
子猫から成長期、シニア猫に至るまで、全てのライフステージの猫が食べ続けられるように作られています。


カナガンキャットフードは、欧州ペットフード工業会連合(FEDIAF)の定める厳しい基準をクリアした、ペットフード専門の工場で、最初から最後まで生産され、日本に直接輸入されています。
原材料の仕入れから、生産、最終製品の管理に至るまで一括管理されており、製造ラインは常にモニターされ、異常があればすぐに発見できるようになっています。
色々な食べ物を食べる人間と異なり、生涯同じフードを食べ続ける猫の場合、栄養の偏ったフードを食べ続けていると、健康が損なわれる可能性があります。
カナガンは、製造前の原材料の時点と、製造後の2回品質テストを行い、品質の徹底管理をしています。
検査に合格したサンプルに関しても、その後、30ヵ月間保管して、出荷後も品質に問題がないかのチェックも行う徹底ぶりです。

製品には、一袋ずつ製造番号が記載され、その番号によって、生産日はもちろん、どの原材料がいつどこから仕入れられたのか、誰にいつ届けられたのか、ということまで、完全に把握しています。
公式サイトのみの販売で、ホームセンターや動物病院、ペットショップなどで、販売がされていないため、カナガンキャットフードは、「愛猫の為に良いご飯を与えたい」と願う飼い主さんだけが手に入れることのできるフードです。
オーダーされてから製造されるため、店頭で売れ残っていたり、いつ仕入れたかわからなかったりするフードと異なり、フードの劣化を少しでも防げます。
また、どの製造番号のフードが、誰の元に届けられたのかを把握できますので、万が一、何らかの異常があった際に、異常な点がどこにあるのかが把握しやすく、スムーズに対処できます。
これって実は本当にすごいことですよね!
獣医師がカナガンキャットフードの原材料を徹底解析!
気になる原材料について、穴が開くほど見てみましょう!

人間の食材を選ぶ時、「有機野菜」や「国産」というのは購入する際の目安にする方も多いと思います。
なんとなく、外国の食材やフードよりも安全で安心な気持ちになりますよね。
ただし、キャットフードの場合は、「国産」や「無添加」のフードが良いとは言い切れません。
いくら国産で無添加でも、トウモロコシなどの穀物がメインのフードであれば、猫ちゃんにアレルギーを起こしてしまう等、問題が発生します。
良かれと思って毎日あげていたご飯が、猫ちゃんにとって負担だったというのはとても悲しいことです。
原材料を自分で納得いくまで調べるということが大切です。
それではカナガンキャットフードの原材料をみてみましょう。
チキン

カナガンのメインとなるのはチキン肉、なかでも、イギリス産の高級「平飼いチキン」を60%以上も使用しているというのが大きな特徴です。
日本では、名古屋コーチン、比内鶏、鹿児島の薩摩地鶏や、土佐ジロー…あぁ、人間が食べるのを想像しただけでもいかにもおいしそうですよね!
なんて贅沢なのでしょうか!
この鶏から作られる「鶏脂」も、皮膚や被毛を美しく保つ必須脂肪酸が豊富に含まれています。
鶏肉には、タンパク質だけでなく、ビタミン、リンや、体の抗酸化作用に重要な役割を果たすセレンなどが豊富に含まれ、猫の健康を土台から支えます。
チキングレイビー
グレイビーとは、肉を焼く時に出る肉汁のことで、美味しい香りと味わいの為に使用されています。
人間でも、ステーキやハンバーグを焼いたときに、残った肉汁にワインやバター、調味料を加えてソースを作る、あのグレイビーソースです!

平飼いチキンのグレイビーソース…おいしくないわけ…ないですよね!
サツマイモ

猫にとって、動物性たんぱく質が最適というのはお話ししましたが、100%たんぱく質で作られたフードが一番というわけではありません。
野生の猫が食べる食事も、内臓や骨など、たんぱく質以外の成分も含まれていますので、肉だけを与えるというのはこれもまた、不自然です。
そこで、消化器官のサポートのためにも、少量の炭水化物が必要になりますが、穀物は猫の消化管に負担を与えます。
そこで注目されたのがサツマイモです。
サツマイモは、消化率が高いわりに、消化に時間がかかるため、空腹になりにくく、また、消化に負担がかからない良い食材です。
海藻

栄養価が高く、鉄、ヨウ素、カルシウムなどのミネラルを豊富に含みます。
魚類に多く含まれ、抗酸化作用があると言われているオメガ3脂肪酸もたっぷり含まれています。
タウリン
人間の栄養ドリンクにも含まれているので、聞いたことがある方も多いかと思いますが、タウリンは滋養強壮、疲労回復に効果がある栄養素です。
猫は体内で合成がほとんど出来ないので、食事から摂取する必要があります。
猫にとってタウリンは、心臓の収縮の維持や、目、腎臓、肝臓、生殖機能の維持にも欠かせません。
カナガンには、必要なタウリンが、2,200mg/kgも配合されており、高い抗酸化作用と心臓のサポートをします。
ハーブ類など

マメ科のハーブで、ベータカロチン、ビタミンB群、C、D、E、Kなどの栄養が多く含まれています。
天然由来の防腐剤として使用されています。
クランベリーに含まれる「キナ酸」は、尿のアルカリ化を防止する作用があり、尿路結石を予防する効果があります。
リフレッシュ効果があるといわれ、猫のストレスの軽減に貢献します。
使われているハーブがまたお洒落です!
優雅にハーブティーを飲むイメージでしょうか…。
獣医師がカナガンキャットフードの成分を徹底解析!
カナガンの成分保証値は以下の通りです。
子猫から食べられるフードという事でたんぱく質、脂質は比較的高めに設定されています。

パッケージに記載のない気になる成分は下記になります。
- マグネシウム:0.09%
- ナトリウム:0.80%
- カリウム:0.70%
カナガンキャットフードに対する口コミ解析!
カナガンキャットフードの良い口コミ

- 毛並みや毛艶がよくなった
- 便の調子が良くなった
- 良く食べるようになった
- 痩せ気味の体重が増えてきた
- 食いつきが良い
カナガンキャットフードの悪い口コミ

- 匂いがきつい
- 下痢をした
- 食べなかった
- 途中から食べなくなった
- 値段が高すぎる
- 尿路結石になった
- 食べられる量が少なすぎてすぐにお腹がすく
獣医師がカナガンキャットフードの悪い口コミを分析!

食いつきが悪い
新しく、慣れない香りや形のフードに対しては、警戒する猫ちゃんもいます。
我が家の猫の「とろ」も「食い付きの良い」とされるフードに飛び掛かって食い付いたことは一度もありません。


だんだん食べなくなってきた
同じフードにあきてしまい食べなくなってくるという猫ちゃんは比較的多くいます。

食べ慣れたフードを3種類くらい用意し、数か月単位で交換してあげたり、2種類混ぜてあげたりするのも良い方法です。
固定のものを決め、かならずおなかを壊したりしないかを確認し、ローテーションに加えてあげましょう。
また、食べない時にどんどん違うフードを出したり、ウェットなどのおいしいご飯を混ぜたりしてしまうと、「食べないとおいしいものが出てくる」と学習し、より食べなくなることがあります。

日々しっかりと学習してるにゃん!
少しでも食べている場合は、あまり手を加えずに様子を見ることも大切です。
うんちが前より臭い。色が黒い
動物性タンパク質が多いキャットフードの場合、穀物主体や植物性たんぱく質主体のフードよりも、断然うんちが柔らかくなります。
そのため、においは臭くなります。

穀物や植物性たんぱく質主体のご飯を食べている猫ちゃんのうんちは、カリカリで硬いことが多いので、逆に軟便になったと感じてしまうかもしれません。
しかし、それが肉食の猫の正常なうんちです。
また、動物性たんぱく質主体の為、消化に優れていて、うんちの回数や量が減ることもあります。
下痢をした
フードを切り替えてすぐに下痢をしてしまったら、「このフードのせいだ!」と怖くなってすぐにやめてしまいたくなりますよね?
切り替え時に下痢をするいちばんの原因は、
- フードの切り替えを突然した
- 食べ過ぎた
- 食べ慣れない原材料だった
ということが考えられます。
猫ちゃんのお腹はとても繊細です。
切り替えは1週間程度かけ、元々食べていたフードに少しずつ混ぜながら与えてあげて下さい。
また、食い付きがよく、一気に沢山食べてしまったという場合も下痢をする原因になります。
カナガンキャットフードは、消化吸収に優れたフードの為、給与量は一般的に売られているフードよりも少なめです。
なんとなく、いつも通りの量で与えてしまうと、多すぎるということがあります。
給与量を守って与えるようにして下さい。
年齢 | 1日の給与量(g) |
---|---|
2ヶ月以下 | 20~30 |
2~4ヶ月 | 30~55 |
4~6ヶ月 | 55~75 |
6~12ヶ月 | 75~ |
体重(kg) | 1日の給与量(g) |
---|---|
2.5kg以下 | 25~35 |
2.5~3.5kg | 35~45 |
3.5~4.5kg | 45~60 |
4.5kg以上 | 60~ |
しかし、切り替えも慎重に行い量も適量にあげたにもかかわらず下痢をするという事もあります。
猫ちゃんは新しいフードにお腹や体質が慣れてくるのに2.3ヶ月かかると一般的には言われています。
それまでは、うんちに粘液が付いたり、黄土色や白っぽいうんちが混ざったりすることもあります。
よほどひどい下痢や、嘔吐、体が痩せてくるようなことがなければ、少し長い目でうんちの状態を観察しても良いかもしれません。
我が家の猫の場合、フードを切り替えると、毎回1.2ヶ月うんちが不安定になります。
それでも、同じフードを与え続けていると、急にぱたりと軟便や粘液が付いたりすることもなく、良いうんちが出るようになります。
自分が良いと思ったフードであれば、自分を信じて少し長い目で様子を見てあげても良いと思います。

判断に迷う場合は自己判断せず、かかりつけの獣医さんに相談してみてくださいね!
食べられる量が少なすぎて、すぐにお腹がすく
カナガンキャットフードは、小食な猫でも少量で必要な栄養が取れるように高栄養に作られています。
そのため、量を食べたい猫ちゃんには物足りないというのは確かにありそうです。
また、かさ増しの為に穀物や豆類なども一切使用していないので、穀物が多いフードに比べると、すぐにお腹が空いてしまうと感じるかもしれません。
量を食べたい猫ちゃんには不向きのフードだといえそうです。
獣医師がカナガンは腎臓に負担があるのかないのかを検証!

「グレインフリー」、「ヒューマングレード」、「人工添加物無添加」のフードを探すというのは今や当たり前のことですが、飼い主さんがフードを選ぶ際に気になるのが、「腎臓に負担があるかないか?」という点です。
猫ちゃんは、高齢になると腎不全になりやすいというのは、猫を飼っている飼い主さんであれば当然知っていることで、食べているフードが腎臓に負担にならないか、心配になりますよね。
そこで、カナガンキャットフードが腎臓にとって影響があるのか、獣医師ならではの視点で検証してみました!
カナガンキャットフードの腎臓への影響は?
フードの成分の中で、腎臓に影響を与える項目というと、主に以下の5つです。
- たんぱく質
- ナトリウム
- リン
- 人工添加物の有無
- オメガ脂肪酸
療法食や他のフードとの成分比較
カナガンの腎臓に与える影響を知るには、腎臓の療法食の基本的な値を知る必要があります。
メジャーな腎臓の療法食や、他のフードの成分をまとめてみました。
たんぱく質 | ナトリウム | リン | オメガ6:オメガ3 | |
---|---|---|---|---|
腎臓サポート | 24.3 | 0.4 | 0.3 | 記載なし |
k/d | 29.4 | 0.25 | 0.49 | 3.49:0.87 |
キドニ―ケア | 26 | 0.2 | 0.3 | 記載なし |
カナガン | 37 | 0.8 | 1.4 | 2.99:0.82 |
シンプリー | 37 | 0.8 | 1.32 | 1.33:3.89 |
モグニャン | 30 | 0.3 | 0.5 | 1:2.1 |
※赤字が腎臓の療法食
たんぱく質
たんぱく質は、代謝の際に腎臓に負担がかかる為、腎不全の猫の場合は30%以下が推奨されています。
腎臓サポートの24.3%から、k/dの29.4%まで、療法食でもやはり20%台です。
その点、カナガンは37%と、キャットフードの中でも比較的高めです。
→腎臓に配慮はされていないため、療法食のように使う事はできません。
リン
リンは、骨や歯、細胞をつくるためには必要な栄養素ですが、腎臓機能が弱っている場合、余分なリンを排出できなくなり、身体に過剰にたまってしまいます。
すると、さらに腎臓に負担がかかり、腎臓を悪化させます。
そのため、余分なリンが出ないように、元々摂取する量を減らす必要があり、腎不全の猫の場合、0.3%~0.5%以下が推奨されています。
カナガンのリンの値は「1.4%」です。
腎不全用の療法食のk/d「0.49%」や、腎臓サポート・キドニ―ケア「0.3%」と比べても圧倒的に高い値です。
→腎臓に配慮した数値とは考えられません。
ナトリウム
人間でも、「味の濃い食べ物は腎臓に悪い!」とよく言われます。
ナトリウムは、初期~中期の腎不全の場合、制限する必要がないと考えられていますが、低塩分食は腎臓に負担がかからないので、配慮しておくに越したことはありません。
カナガンのナトリウムの値は「0.8%」です。
腎不全用の療法食のキドニーケア「0.2%」、k/d「0.25%」、腎臓サポート「0.4%」などは低塩分食の分類0.5%以内に収まっていますが、カナガンキャットフードは低塩分食の分類ではありません。
→低塩分食ではないので、腎臓に優しいフードではないです。
人工添加物の有無
人工添加物は一切使用されていません。
→腎臓に負担がかかる添加物は入っていません。
オメガ脂肪酸の配合
魚などに大く含まれるEPAやDHAなどの「オメガ3脂肪酸」は炎症を抑える効果のある物質ですが、体内で合成できず、食事から摂取する必要があります。
オメガ3脂肪酸単体でよりも、オメガ6脂肪酸とバランスよく摂取することで、より効果を発揮します。
脂肪酸の最適なバランスというのは、まだはっきりわかっておらず、メーカーによってもばらつきはとても多いのですが、今のところ「オメガ6脂肪酸:オメガ3脂肪酸=5~10:1」のバランスが良いと言われています。
カナガンの成分分析値では、オメガ6脂肪酸は2.99%、オメガ3脂肪酸は0.82%ですので、「3.64:1」という比率です。
ややオメガ6脂肪酸の値が少ないようですが、比較的推奨バランスに近い値ではあります。
→腎臓にとって比較的よいバランスと考えられます。
現段階で、腎不全の猫はもちろん、腎不全ではないけれど、高齢になってきたので腎臓に負担のかからないフードをご検討中という方にも向かないフードだといえます。
カナガンは尿路疾患に配慮されたキャットフードか?

特に尿路結石に関しては、フードに含まれるミネラル分が大きく関与してきますので、療法食と比較してみましょう。
下部尿路疾患療法食との比較
マグネシウム | リン | カルシウム | ナトリウム | |
---|---|---|---|---|
ピュリナワン 下部尿路の健康維持 F.L.U.T.H. ケア |
0.08% | 0.7% | 0.8% | 記載なし |
c/d | 0.073% | 0.72% | 0.72% | 0.38% |
PHコントロール オルファクトリー |
0.08% | 1.04% | 1% | 1.38% |
カナガン | 0.09% | 1.4% | 1.58% | 0.8% |
シンプリー | 0.13% | 1.32% | 0.6% | 0.8% |
モグニャン | 0.2% | 0.5% | 0.7% | 0.3% |
尿路結石は、尿のpHの値がアルカリや酸性に大きく傾いてしまう事で発生します。
酸性に傾くと「シュウ酸カルシウム結石」、アルカリ性に傾くと「ストラバイト(リン酸マグネシウム)結石」ができやすくなります。

2つの内、猫に多くみられるのは、「ストラバイト」です。
結石は、フードに含まれているミネラルの影響を非常に高く受けます。
最初に結論から…

カナガンキャットフードは、ストラバイト(リン酸マグネシウム)の原因にはなりにくいが、カルシウムの含有量の多さから、シュウ酸カルシウムはできやすいと考えられます。
そう考えた根拠を詳しくみていきましょう。
カナガンのミネラルバランスはどうでしょうか?
- マグネシウム:0.09%
- カルシウム:1.58%
- リン:1.4%
一般的なキャットフードに含まれるマグネシウムの量は、100gに対して0.09%~0.15%前後が推奨されています。
カナガンのマグネシウムの値は0.09%と低めの値です。
また、猫のFLUTD(下部尿路疾患)を予防するのに最適なミネラルバランスは、「カルシウム:リン:マグネシウム=1.2:1:0.08」と言われています。
カナガンは「1.58:1.4:0.09」すなわち、「1.1:1:0.06」ですので、ほぼ最適バランスと言えます。
ただ、「ストラバイト(リン酸マグネシウム)結石」はリンとマグネシウムが原料になっているため、リンの多さは少し気になります。
しかし、マグネシウム量はかなり低くおさえられていますので、結石の原因になりやすいとは言えません。
さらに、尿を酸性にする効果がある動物性たんぱく質は豊富、さらに、クランベリーを配合することでより、尿がアルカリに傾くのを防止しています。
また、ナトリウム濃度も比較的高く、水を多めに飲むと考えられますので、「ストラバイト」が発生する可能性は低そうです。
一方、カルシウムの含有量は他のフードに比べても高めですので、「シュウ酸カルシウム結石」が出来やすい可能性はあります。
予防法としては、意識的に、水をたくさん飲ませることが大切だと思います。
カナガンキャットフードが向いている猫・向いていない猫
カナガンキャットフードはうちの猫ちゃん向き?それとも向いていない?と気になる飼い主さんの参考になるようまとめてみました。
カナガンキャットフードが向いていないのはどんな猫?

アレルギーがあるのに、アレルギー物質の入っているフードを食べ続けていると、当然、下痢、軟便、粘液便、血便、嘔吐、皮膚炎などの症状が出てしまいます。
実は、アレルギーに気付いていない飼い主さんも意外に多いです。
定期的にうんちに血が付く、たまに吐く程度の場合、あまり病気という認識がされていないことが多く、思っているよりも猫の食事性アレルギーというのは多いと思います。
ダイエットが必要な猫にとって、脂質20%はやはり高いです。
しかも、吸収も良いので、余計に太ってしまう可能性があります。
カナガンキャットフードが向いている猫はどんな猫?

カナガンキャットフードは、食いつきがよいというのを売りにしており、「偏食ぎみの猫にもお勧め!」と公式のホームページでも自信満々に宣伝しています。
食い付きについては、後程、我が家の猫でも試しましたので、レビューをご覧くださいね。
食い付きの悪い猫が、カナガンキャットフードには食い付くのか否か、乞うご期待!
カナガンは、たんぱく質37%と、高タンパク質な部類のキャットフードで、脂質も20%を超え、子猫や成長期の猫の健康をサポートするのに最適なフードです。
知らないだけで穀物にアレルギーがあったり、人工添加物が体に合っていなかったり、などの可能性があります。
安心安全な原材料で作られたカナガンキャットフードを試してみるのもいいでしょう。
カナガンキャットフードの保存方法

カナガンキャットフードは1.5㎏の1袋を食べ切るのに、猫ちゃんの体重が4.5㎏の場合には25日、体重が3㎏の場合37日程度かかります。
人工的な保存料が入っていない分、酸化はしやすいでしょう。
元々ジッパーもついていますが、できれば、最初に密閉できる2.3袋にわけて冷暗所で保管しましょう。
冷暗所と言っても冷蔵庫に入れてしまうと、室温との温度差がありすぎて、袋の内側に水滴が発生し、カビの原因になることがあります。
小分けにしたキャットフードは冷蔵庫ではなく、風通しのよい日陰で保管するようにしましょう。
ついに愛猫「とろ」のカナガンキャットフード実食レポートです!

カナガンキャットフードの外装の第一印象はスタイリッシュ!
シンプリーやモグニャンと比べても男っぽい印象がありますが、素敵です!
「ここから開ける」の切込みがあったので、はさみを使わず手でビッとあけたら、淵がぐちゃぐちゃになってしまい、はさみで切りなおしました…
最初から面倒くさがらず、はさみを使えばよかった。

粒は、結構大きめで、厚みもあります。

子猫や、早食いの猫ちゃんには少し大きすぎるかもしれません。
匂いは…良いにおい!
全く臭くないです!袋の中に顔をつっこんでみても臭くない!
私はキャットフードの匂いがとても苦手なのですが、カナガンキャットフードはいい!
愛猫とろは、食い付き抜群とお墨付きのフードにことごとく食い付かない猫ですが、さて、今回のカナガンはどうでしょう…



すぐにキャットタワーから出てきて、クンクンしています!
明らかに興味がありそう!
いつもなら、手で目の前までもっていかないと、新しいご飯に食い付かなかったのですが、カナガンには、自らぐいぐい来ます!!


なにこれ???


飼い主感動!!!


こんなに食い付きを見せてくれたフードは初めてかもしれません!!!
その勢いのまま、ガツガツぼりぼり食べてくれます!

粒が大きいので、一粒ずつかなりしっかり噛んでいます。
ただ、硬いのかうまく噛めずに口からポロッと出てしまう事もありました。

怖がりで、人がいる時に床の上などでご飯を食べることは無いのですが、カナガンは床の上であげてみても夢中になって食べています!

余りにも夢中に食べるので、ずっと下を向いている写真しか撮れません(笑)

もちろん、完食!
残ったお皿もくんくん、「もうないの~?」ともっと欲しそうにしていました!
まったく期待していなかった、食い付き!
今回初めて見る事ができました!
もしかしたら、魚系のフードよりもチキンの方が好きなのかもしれません!←いまさら(笑)
今までは、パウチも、ささみ入りはささみを残していたため、これも新発見です!
今まで生きてきた中で、ドライフードの中ではナンバーワンの食い付きといって間違いありません!
カナガンキャットフードをふやかしてみた!
愛猫とろも苦戦していましたので、子猫さんには少々サイズが大きいと思います。
ふやかしたり、砕いてあげた方が良さそうです。
試しにお湯でふやかしてみましたが…

10分ふやかしましたが、芯が残ってしまいました。
手でほぐしてもほぐれません。
硬いのや、大きいフードが苦手な子猫やシニアの猫は食べづらいかもしれません…。
この状態から、さらにお湯を注ぎ10分ふやかしたら、ふやけましたが、毎食ここまで時間がかかるのは、相当手間がかかると感じました。
まとめ
カナガンキャットフードは、人間からみても贅沢なほどおいしそうで、安全な材料で作られた、猫の身体のことを考えて作られたキャットフードでした。
食い付きに関しても、我が家の猫はナンバーワンでした!
猫にとって良いご飯を選んであげたいなという飼い主さんの、キャットフード選びの参考にして頂けたら幸いです!